10月28日は世界柔道デー。柔道を創始した嘉納治五郎の誕生日である。嘉納は1882年、東京で柔道を始めた。
嘉納が目指したのは、一つの競技を作ることではなかった。柔術から学んだ投げ技と固め技を、二つの原則、すなわち「精力善用」と「自他共栄」の上に組み直した。投げられる者は受け身を覚え、投げる者は相手を制することを覚え、双方が礼をもって行う。柔道が一世紀以上にわたって学校教育に位置づけられ、子ども向け、高齢者向け、視覚障害・聴覚障害のある選手向け、知的障害のある人向けの柔道が生まれたのは、そのためである。
世界柔道デーの歴史は浅い。国際柔道連盟が2011年に始め、最初のテーマは「尊敬」だった。以後、2012年「すべての人の柔道」、2013年「忍耐」、2014年「名誉」、2015年「団結」、2016年「世界のための柔道」、2017年「勇気」、2018年「友情」と続いた。2026年のテーマは「帰属」。連盟は、畳に上がることを許されるかどうかではなく、認められ、尊重され、そこにとどまれるかどうかだと説明している。
柔道の広がりは一つの道場から始まった。講道館は1882年に開かれ、柔道は1964年東京大会でオリンピック競技となり、女子は1992年から加わった。国際柔道連盟が統括する競技は世界の各地で行われ、その普及活動は学校、指導者養成、インクルーシブ柔道に及ぶ。
世界柔道デーは試合の日ではない。道場は開放稽古や演武、地域での活動でこの日を迎え、連盟は毎年のテーマを通じて、この競技が内側にいる人々に対してまだ果たすべきものは何かを問いかける。
嘉納自身の言葉はもっと短い。精力善用、自他共栄、そして畳の上で学んだことは畳の外で役に立つべきだということ。世界柔道デーは、その言葉を外の人々に向けて語る一日である。




