各国の研究者や指導者、柔道関係者が10月1日から3日まで筑波大学に集い、嘉納治五郎の思想を今日の教育と社会にどう生かすかを検討した。会議「嘉納治五郎と教育―その遺産と21世紀の課題」は筑波グローバルサイエンスウィーク2026の一環として、国際柔道連盟と講道館の協力のもとで開かれた。
筑波大学とボルドー大学の長年にわたる連携から生まれた会議で、嘉納を武道の創始者としてだけでなく、教育史、国際交流、価値の伝承という文脈で捉えることを目的とした。
初日は女子教育と柔道における女性の位置、嘉納思想の哲学的基盤、オリンピック教育、柔道が人が建設的に葛藤と向き合うための役割などを扱った。発表者は英国、フランス、イタリア、米国、アルゼンチン、韓国、オーストラリア、オランダ、スロベニア、インド、メキシコ、ブラジルから参加。能登半島地震後の地域支援における柔道の取り組みや、嘉納の思想とインドの詩人・哲学者タゴールとの関連も論じられた。
2日目は教育が中心となった。ボルドー大学のミシェル・ブルースが「明治から令和へ」と題して基調講演を行い、嘉納の遺産をいかに継承するかを語った。柔道を民族間の平和の道具とする見方、幼少期からの社会性育成、徳育の基盤としての柔道についても発表された。
最終日は議論から実践へ移った。参加者は筑波大学で稽古を見学し五の形を体験。続いて東京の講道館で嘉納と講道館柔道に関する講義、形を基盤とした教育の実技、博物館見学、子どもクラスの見学を行った。



