アブダビ・グランドスラム初日、世界ツアーに馴染みの名前が戻ってきた。競技から離れていた時間によって世界ランキングは往時の位置を示していないが、技、判断、そして勝負どころを選ぶ力が今も試合を左右することを、彼らの柔道は示した。

カザフスタンのイェルドス・スメトフは男子60kg級に出場した。パリ・オリンピック後の実戦は3大会目となる。立ち技と寝技の両方でポイントを重ねたが、準々決勝ではアゼルバイジャンのバラバイ・アガエフに敗れた。敗者復活戦ではウクライナのアルテム・レシュクから3度スコアを取り、背負落で一本を奪って銅メダル決定戦へ進んだ。

フランスのアマンディーヌ・ブシャールは約半年の休養を経て、女子52kg級でグランドスラム決勝に戻った。キプロス、アゼルバイジャン、ハンガリーの選手を破って決勝へ進み、クロアチアのティヘア・トポロヴェツに残り1分以内で内股の技ありを許して銀メダル。それでも、試合のテンポを整え、圧力を受けながら組み立てる力は健在だった。

ウズベキスタンのディヨラ・ケルディヨロワは、また別の形で競技へ戻ってきた。パリ大会後に母となり、12日前のアクタウ・アジアオープンで復帰して優勝した。アブダビでは初戦を勝ったものの、イスラエルのゲフェン・プリモに2度投げられて敗退した。

この日は寝技の価値も際立った。日本の嘉重春樺は最近の国際大会10試合のうち、5試合を寝技で勝利している。残りは反則による決着が3試合、立ち技での勝利が2試合だ。組み手争いが続いても、自ら試合を動かして寝技へ入る力が勝負を決めている。

アブダビでは具体的な場面もあった。イタリアのフランチェスカ・ミラニは女子48kg級初戦で素早い三角絞めから相手を返し、およそ1分の抑え込みで勝利した。スメトフも初戦を寝技で一本勝ちしている。いずれも偶然ではなく、日常から準備された技術である。

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