2026年バクー世界柔道選手権で、中国は個人戦と混合団体戦でまったく異なる姿を見せた。
個人戦ではメダルを獲得できず、女子57kg級のWANG Nanが7位に入ったのが唯一の上位成績。国別順位は27位タイだった。ところが10月11日の混合団体では、ブラジルを4-3で破る大金星を挙げ、準々決勝でもトルコに4-1で勝利。準決勝まで進んだ。
この躍進は、単に組み合わせに恵まれた結果ではない。特にブラジル戦には、中国の変化を象徴する内容があった。
ブラジルの有力選手を崩した中国
国際柔道連盟(IJF)は試合前、ブラジルが戦力面で優位と見られていたことを紹介している。チームにはLeonardo Goncalves、Rafael Macedo、そしてパリ2024五輪女子78kg超級王者Beatriz Souzaがいた。
それでも中国は3-3まで持ち込んだ。
22歳のNIU Xinranは女子70kg超級でSouzaを寝技の一本で破り、勝負を振り出しに戻した。抽選で男子90kg超級が代表戦に選ばれると、HUANG Fuchunが再びGoncalvesと対戦。谷落としを狙った相手に大内刈を合わせ、有効を奪って4-3の勝利を決めた。
Huangは本戦でもGoncalvesに勝っており、同じ対戦の中でブラジルの主力を2度破ったことになる。
トルコにも4-1、準決勝へ
中国はブラジル戦の勢いを維持し、準々決勝でトルコに4-1で勝った。
準決勝では日本に敗れ、銅メダル決定戦に回った。日本戦では劉璐と田中志歩が消極的な組み手と攻撃不足により双方反則負けとなる珍しい展開もあり、その後、村尾三四郎と新井万央らの勝利で日本が決勝進出を決めた。
中国は銅メダル決定戦でジョージアに敗れ、モンゴルと並んで5位。銅メダルはジョージアとウズベキスタンが獲得し、日本は決勝でロシア連邦を4-1で破って優勝した。
近年の世界選手権と比べても大きな前進
2018年、中国は初戦でキューバに1-4。2019年はモンゴルに3-4で敗れた。2022年には5位まで進んだが、2025年は初戦でジョージアに1-4で敗退している。
2026年のバクーでは、ブラジルとトルコを連破して準決勝へ進んだ。歴代最高と断定する必要はないが、近年の世界選手権混合団体の中で明確な前進であり、2025年からの変化は大きい。
中国柔道の「再建」は実戦で形になり始めたか
IJFは2025年、中国柔道の再建について特集している。フランスの元世界王者で五輪メダリストのStéphane Traineauがテクニカルディレクターに就任し、若手選手がワールド柔道ツアーで結果を出し始めていることを紹介した。
バクーの個人戦だけを見れば、中国が再び世界のメダル大国になったとは言えない。一方で混合団体では、強豪国を倒し、複数ラウンドにわたって勢いを維持できることを示した。
一大会だけで「復活」を断言するのは早い。それでも、個人戦27位タイから団体4強という大きな振れ幅は、中国の再建が競技力として現れ始めた可能性を示す。
ロサンゼルス2028へ向け、バクーでの一日は中国柔道の新世代を測る重要な基準になりそうだ。



