韓国の柔道選手アン・バウルが、2026年末で競技生活を終え、指導者に転身すると表明した。2016年リオ五輪男子66kg級で銀メダル、2020年東京五輪同階級で銅メダルを獲得している。
アン・バウルは9月10日、SNSに「今年末でこの旅を終え、指導者として新たな挑戦を始めるつもりだ。今後は経験を共有しながら成長を続けたい」と投稿した。さらに「五輪のような大舞台で韓国代表として戦えたことは光栄であり、感謝している。これまで支えてくれたすべての人に感謝したい」と述べた。
なぜ今なのか
国際柔道連盟は9月11日、アン・バウルのインタビューを掲載した。この時期に引退を決めた理由について、彼はパリ五輪後に自身の柔道人生と将来について深く考える時間を取ったと語っている。
「長年の厳しいトレーニングは体に大きな負担を与え、この競技が最高レベルで求める形で自分を追い込むことはもうできないと感じた」と彼は述べた。「一歩下がって家族と過ごす時間を取り、次に何をするかを慎重に考えたかった。現在の所属チームとの契約も今年で終わるため、韓国でも国際的にも、この章を閉じて新しい章を開く自然なタイミングだと感じた」
今後の予定
今年の残りの期間について、アン・バウルは家族と充実した時間を過ごしながら、所属チームとの残りの務めを果たし、次の段階に備えて来年から指導者としての活動を始める機会を探るとしている。
長期的には国際的な指導者としてのキャリアを築きたい考えだ。「良い指導者になるには継続的な学び、経験、謙虚さが必要なので、これからも自分を成長させ、周囲から学び続けたい」と述べた。「私の目標は技術だけでなく、柔道が私に与えてくれた価値観を伝えることです。次世代の選手がこの競技の最高レベルへ、そしていつか五輪の表彰台へ進む手助けをしたい」
恩師ソン・チャンジョン氏
最も影響を受けた人物について問われ、アン・バウルはまず家族への感謝を述べ、チームメイトやコーチ、これまで支えてくれたすべての人に謝意を示した。
その上で、長年指導を受けてきた恩師ソン・チャンジョン氏の名前を挙げた。同氏は現在、南楊州市庁柔道チームの監督を務めている。「彼は私が中学生の頃から先生であり指導者であり、その関係は今も続いている」とアン・バウルは語った。「彼が教えてくれたのは柔道の技術だけではない。人生の基本的な価値観、すなわち謙虚さ、犠牲、献身、そして敬意だった。選手としても人としても、彼は常に私の支えであり指針だった」
柔道が教えてくれたこと
アン・バウルは、柔道が人生のすべての部分を形作ったと語る。「この競技を通じて、努力、健全な競争、犠牲、謙虚さ、共感、敬意の価値を学んだ」と彼は述べた。「喜びと勝利の最も大きな瞬間も、失望と悲しみの最も厳しい瞬間も与えてくれた。振り返れば、そのすべての経験に代えがたい価値がある」
五輪での実績
アン・バウルは2016年リオ五輪男子66kg級で銀メダル、2020年東京五輪同階級で銅メダルを獲得。2024年パリ五輪では混合団体の銅メダル獲得に貢献し、ドイツとの銅メダル決定戦では上の階級の相手を破る場面が韓国で大きく話題となった。パリが最後の実戦となった。
後輩への激励
引退発表の前日となる9月9日、アン・バウルは忠清北道の鎮川(チンチョン)国家代表選手村トレーニングセンターを訪れ、2026年愛知・名古屋アジア競技大会に備える代表チームの後輩たちを激励した。韓国柔道チームは今大会で複数の金メダルを目標としており、大会は9月30日から10月3日まで行われる。
指導者への転身により、アン・バウルは10年以上所属してきた韓国柔道の枠組みにとどまることになる。韓国男子の軽量級は現在、若い世代を中心に再構築が進んでいる。




