柔道の発展は、競技成績や政府の助成だけに頼る必要はない。エクアドル柔道連盟理事で電池メーカー「バテリアス・ダカール」創業者のロベルト・ダニンは、元柔道選手が外部から柔道を支え続ける一例だ。
ダニンは元エクアドル代表選手であり、1989年にユーゴスラビアで行われた世界選手権に出場した兄カルロスも元代表選手だった。ダニン家の企業は長年にわたりエクアドル柔道を支援してきた。2019年日本世界選手権の代表派遣の資金援助、グアヤキルで開催された2022年世界ジュニア選手権のスポンサー、そして柔道選手が大学に進み続けるための奨学金の提供などだ。
ダニンにとって、柔道は教育システムの一部である。家族の企業は選手の遠征や大会費用を支援し、畳から大学へ進む道を開く奨学金を提供している。プログラムを経た選手の中には、資格を持った選手やコーチとして柔道を続けている人もいる。
その考えは資金面にとどまらない。元コーチに生産的な役割を生み出すための新しい道場建設の計画も語られている。経験を柔道界に残し続けるためだ。
ダニンの物語が示すのは単純な点だ。教育、奨学金、雇用、インフラを通じて元柔道選手が競技を支え続ければ、柔道には一つのシーズンの成績では得られない安定が生まれる。

